第三回豆知識

2022年12月4日

皆さまは「鉄」と聞いて何を想像しますか?

おそらく、「金属でできているものであれば何でも鉄じゃない?」と考える方もいらっしゃる事かと思います。

しかし実際には、鉄ではなくアルミニウムであったり、チタン合金であったり、鉄以外である事もあります。

しかし、我々鉄工所で働く者にとって、「鉄」とだけ言われた場合に頭に浮かぶのは「どの鉄?」でしょう。

鉄は鉄でも、数えきれないぐらいの種類があることをご存知でしょうか。

この業界においてごく一般的な鉄と考えられる物でも、数種類あります。

SS400(一般構造用圧延鋼材)

S45C(機械構造用炭素鋼鋼材)

SCM440(クロムモリブデン鋼)

FC200(ねずみ鋳鉄)

等です。

上記全て、名前と性質は違えど、どれも「鉄」と括ることができます。

使い方、使用環境、強度問題等、様々な場面において最適な鉄が存在します。加工する際にあっても、それら全てに個性があり、削り方等をしっかり考える必要があります。SS400と同じ方法でS45Cを削ると、刃物は摩耗したり、折れたりします。逆も然りです。

身近にあるいろんな鉄製品を見比べて、これはS45Cだ、と見極めることは困難を極めますが、街中にある歩道橋なども鉄でできておりますので、見てみる価値はあるかもしれません。

ちなみに私が見た事のある歩道橋には、「SS400」と記載がありました。他の場所はどうなのでしょう、また時間があれば探してみたいと思います。